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入門コース
RMP30より
RMP30:もし、汝に書記が、10はどんな数の2/3 1/10にあたるのかと言ったなら、彼に次のように言って聞かせよ。(pp.71-72)
(解説)汝は2/3 1/10にかけて10を見つけよ。

 1    2/3 1/10

 2    1 1/3 1/5
/4     3 1/15
/8     6 1/10 1/30
合計13。

2/3 1/10かける13は9 2/3 1/10と1/15と1/10 1/30となり、残りは1/30。30に適用すると2/3 1/10は23。1/30は1になる。だから2/3 1/10の1/23が1/30になる。よって、求められた量は、その合計すなわち13 1/23となる。証明としては、13 1/23に2/3 1/10をかければよい。


1     13 1/23

/2/3   8 2/3 1/46 1/138
/1/10  1 1/5 1/10 1/230
合計   10
 
残りを1/30と求めるのに、著者は2/3 1/10……という分数部分を30に応用したのだろう。すると合計が29になり、30に1足りないことになる。そこで、10を得るには、さらに1/30が必要なことが分かる。証明の部分では、13の2/3の答えとして8 2/3が求められ、次に問題61の中の規則に基づいて1/23の2/3が求められている。(15ページ参照)1/10も簡単に求められる。13のうち10を1/10にして、1。残り3の1/10は問題1の前の表から1/5 1/10と求められる。最後に1/23の1/10は1/230となる。 このパピルスの手本の著者も、この写本と同じく、1/30に1/23をかけて2/3 1/10を求めようと書いていたようである。しかし、著者は(分数を表す)点を23の上に打とうとは思ってなく、1/30に23を掛けて2/3 1/10を求めよと書こうとしていたらしい。これは式としては正しいが、解法の説明にはなっていない。このグループに属する別の問題の解法によれば、1/23に2/3 1/10を掛けて1/30を求めよと書くべきである。
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