筑波大学大学院修士課程教育研究科 青木 弘
〜フェルマーの論文「極大および極小値研究のための方法」の解釈を通して〜
上記の目的を達成するため、以下を下位課題として設定する。
l一次文献である原典を読みながら追体験することで、連続性・発展性を感じ取り、数学では絶えず新発見が行われていることを認知する。
l新しい方法論によって、古い問題の鮮やかな解決が得られたことではなく、新しい数学の問題が提起され、新しい数学の分野が切り拓かれる、つまり、「新しい、まだ浸透していない考え方をどうやって相手に理解させるか」という問いに、どう対応するかを念頭において考える。
l子どもが数学に対する見方を変え、数学が変化し、発展するものであると捉えられるよう、数学史を生かした指導を提案することである。
l作図ツールを用いることで、視覚的に理解できる。また、求めた答えを吟味するために、視覚的に確認できる。
3 授業概要:
A二時間目
B三時間目
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人によって、一つのことを証明するのに、いっぱい方法があるのだなぁ。
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長い歴史の中の数学への人々の認識の移り変わりを見ることができた。
l 今、当たり前に証明できるものも、長い歴史の中で試行錯誤して編み出された証明なのだろう。
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数学的発想ができなかった。
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彼らの思考回路が謎だった。(別に、納得できない訳ではないが・・・)
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数学というのは、昔の誰かが思いついたやり方を昔から今までずっと習うものだと思っていた。しかし昔のいろんな人がいろんなやり方を考えていた中の一つを学んでいたんだなぁと思った。
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まだ、完成されていない計算方法に触れることで、今「公式」として受けている様々な知識を「疑ってかかる」姿勢を持てた。
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主体的に学ぶ姿勢に欠けていたのかもしれない。与えられた「穴埋め問題」しか問けない。自分で文献を探し、問いていくことがこれからの課題だと思う。
またある生徒は自ら、以下のような自分なりの解釈をもつことができた。
「今では“e”みたいな存在をあやふやなままにしているが、今後、もし優秀な数学者が現れて、“e”の存在を確立、またはくつがえすような発見をしたら、面白い。でも“e”があやふやだと私が思うのは、昔の人に比べて、デジタルな世界に生きている現代人だからかもしれない。」
P. de Fermat 「Methodus ad Disquirendam Maximam et Minimam」 OEuvres de Fermat(1629)
D.J.Struik,「FERMAT, MAXIMA AND MINIMA」 p222-227 (A Source Book in
Mathematics ) Cambridge, Mass. : Harvard University Press, 1969
D.J.Struik「BARROW,THEFUNDAMENTAL THEOREM OF THE CALCULUS」p253-263 (A Source Book in Mathematics
) Cambridge, Mass. : Harvard University Press, 1969
中村幸四郎・寺阪英孝・伊東俊太郎・池田美恵訳「ユークリッド 原論(縮刷版)」P62-78,141-142(1996・共立出版)
佐藤徹訳「アルキメデス 方法」P34-39(1990・2,東海大学出版)