要約

研究題目
 求積法の歴史を扱った授業実践に関する一考察 ―紀元前から現在にいたるまでの変遷―

1.はじめに
  礒田(2001)、高等学校学習指導要領数学基礎の目標に基づき、求積法に関する数学史の教材化及びその実践を行った。
 研究目的、 研究方法は以下の通りである。

2.研究目的・研究方法
・研究目的
  曲線図形の求積法の発見から発展の歴史的過程を、数学史原典を用いて追体験を行うことによってこれまで生徒が
 もっていた数学観 がどのように変容するかを明らかにする。

・研究方法
  以下の課題を設定し、ビデオ及び生徒へのアンケートをもとに、この課題が達成されたかどうかを判断する。


課題@:求積法の歴史を追体験することで、当時の数学者の試行錯誤を感じとり、生徒の数学観の変容が見られるか。
    また、自ら学び、自ら考える力の育成は見られたか。


課題A:数学が使われている道具による数学的活動を通して、数学の有用性を身近に感じることができ、
    興味・関心を高められたか。



3.「求積法の歴史」の教材化
  
本研究では原典としてアルキメデス「放物線の求積」、カヴァリエリ「A source book in mathematics,1200-1800」、
 ニュートン「PHILOSOPHIE PRINCIPIA」、またプラニメーターに関する文献、「計算機の歴史」を用いてテキストを開発した。
 曲線図形の面積を「取り尽くし法」を用いて正確に求めたアルキメデス、今日の積分の始まりといわれる「不可分量」を
 用いて求積したカヴァリエリ、それらをまとめあげ極限の概念を取り入れ積分を考え出したニュートンらの偉業を数学史原典を
 用いた追体験を通して感じ取ることで 数学のよさを感じ取り、数学観を発展させることができるであろう。
  また、積分の働きをする道具、「プラニメーター」を使った数学 的活動により、数学の有用性を知り、数学的な見方や
 考え方を豊かにし、興味・関心を高める。


4.「求積法の歴史」の授業概要
  報告書、スライド、テキスト等を参照

5.結果と考察
  本研究では生徒の数学観を変容を見るための手段として数学史を教材にすることと、道具を操作したり観察したりすることをした。
 課題@、Aの考察の結果、課題は達成されたと判断できる(詳しくは報告書参照)。



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