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「パンタグラフ」の仕組み



図1 2倍拡大図がかけるパンタグラフ
図2

数学的解説

 パンタグラフは作図器のことである。パンタグラフにはいくつかの種類があり、筑波大学数学教育研究室「レゴのページ」レゴのページ
には線対称や点対称、平行 移動、回転移動、相似変換、アファイン変換、反転 変換、Lambertの透視画(遠近)法が行えるパンタグがある。本研究の活動では相似パンタグラフを 取り上げ、原図として三角形を用いた。
 
パンタグラフの4本の腕の長さはどれも等しく、それぞれの中点は留められている。また、点A(支点)は台紙に固定されている。点C(作用点)にペンを入れたまま、点B(力点)で原図をなぞると、点Cは点Bでなぞった原図を2倍に拡大した図形をかく。ここで点Aは「相似の中心」である。
 
 【証明】
  四角形BDFEはひし形で、
  点A、B、Cは一直線上に並ぶとする。…@
  また、点Dは辺AFの中点、点Eは辺CFの中点である。
  よってAD:AF=1:2 …A
      CE:CF=1:2 …B

  ABよりAB:AC=1:2となり、
      △ABD∽△ACF
  したがって点Cは点Bでなぞった原図の2倍の拡大図をかく。

 


図3 大きさの異なるパンタグラフ

図4 形の異なるパンタグラフ
 上記の証明からもわかるように、パンタグラフは点A、B、Cが一直線上に並び、辺AB、ACの距離の比と、その比が不変であることによってかける図形が決まる。そのため、図3のように大きさが異なるパンタグラフでも2倍の拡大図をかくことができる。
 
 また、図4の左のパンタグラフ(赤)でも点A、B、Cは一直線上に並んでおり、辺AB、ACの距離の比が1:3で、これが不変であるため、3倍の拡大図をかくことができる。
 
 しかし、図4の中央のパンタグラフ(黄)と右のパンタグラフ(緑)では、点A、B、Cは一直線上に並んでおらず、辺AB、ACの比も一定に保たれないため、これらのパンタグラフによってかける図形は比相似図形となる。




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