3.もう少し詳しい各図の説明
Figure1の円は天球を真西の方向から見たところを表しており“N”,“S”,“Z”,“North Star(北極星)”,“Southern Cross(南十字星)”の5点はそれぞれ,天球上の北点,南点,天頂,北極,南極にあたります。そして中心を通るXYは天の赤道を表し,XYに平行なMLで太陽の運行を真横から見たところを表します。よってMLと地平線NSとの交点は日の出・日の入りの位置になります。またこの円は子午線に相当し,点Mが太陽の南中する位置となります。地平線上に立てられたノーモンの,太陽光による影の先端を点“shadow”で表していますが、これは太陽からノーモンの先端に向けて放った半直線と地平線NSとの交点です。
Figure2の円は天球を天頂(Figure1内では点Z)の方向から見たところを表しており,Figure1と対応しています。円は地平線を表し,中心はノーモンの位置,そして4点“E”,“W”,“S”,“N”で東西南北を表しています。この図内では太陽の運行は楕円で表されていますが,円と楕円との接点が日の出・日の入りの位置になります。Sun(Drag)”はドラッグすることができるので,太陽の位置と影の先端“shadow”との関係をFigure1と対応させながら見てみてください。CabriJavaのトレース機能を用いて“shadow”の軌跡を描くと,影のでき方がよくわかります。
Figure3は地球の公転軌道を表したもので,円軌道として理想化し,作図してあります。円上の4つの点は右方から半時計回りに冬至,春分,夏至,秋分にあたり,地球を通る黄色の線分P(接線方向)は地球を昼側と夜側に二分する平面を表しています。線分NSは,地軸の公転面への正射影として捉えてください。また,歳差運動は考慮していません。Earth(Drag)”はドラッグすることができます。線分NSと線分Pとの位置関係を,Figure4における地軸NSと黄色の線分Pとの位置関係と比較しながらドラッグしてみてください。
Figure4は太陽方向への地軸の傾きを表したもので,Figure3内の“V”の側から地球をみた様子を表しています。正確には,地球を昼側と夜側に二分する平面Pと赤道面との交線の方向からみた様子ということになります。Figure3と同様,黄色の線分Pが昼側と夜側を二分する平面を表し,この平面と地軸とのなす角度をFigure3を用いて計算しています。
地球に接している小さな半球はFigure1との関連をイメージしやすくするためにつくりました(mが南中位置の方向です。)Latitude(Drag)”をドラッグすることで観測点の緯度を変えることができます。Figure1Figure2と照らし合わせながらドラッグしてみてください。(ただしこのドラッグとFigure1,2内の太陽の位置(点“SunたはSun(Drag)”の位置)とは対応していません。)

※説明を注意深く読んだ方はGnomon by CabriJavaが描く影の軌跡が、一定条件を仮設して作図された日時計の影の軌跡に対する一つの幾何的モデルであることに気づくでしょう。天文学の歴史をひもとくと、天体の運動モデルが観測値とずれる事実が天文学の進歩の契機になったことがわかります。そこではもちろん測定機器の進歩も必要になりました。

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