Museo Universitario di Storia Naturale e della Strumentazione Scientifica
Università degli studi di Modena e Reggio Emilia
レジオ エミリア州 モデナ大学 科学技術博物館

Preface 序 文

 このWebページはモデナ大学自然科学,科学機器博物館の数学実験室所蔵の数学機械(1998年10月更新)のすべての品目を収めてあります。それぞれの機器は写真,アニメーション,その原理の証明によって紹介されています。アニメーションは Cabri GeometryU(version 1.0 for Windows)によってかかれています。この幾何ソフトCabri は描写、操作のしやすさ、図形の見やすさによって採用しました。また、いくつかのJavaによるアニメーションも含まれています。

 この数学実験室はイタリアだけでなく外国からも、学生や教師、研究者による訪問をうけています。これらの作品はイタリア各地および外国(ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、ポーランド、日本、スペイン、アメリカ)において展示されてきました。このWebページは「数学博物館」(1998年10月於モデナ)にあわせて制作された解説用CDをもとに作られました。内容についての批評、意見、質問を歓迎します。また、然るべき照会によりこのWebページの内容、素材を引用することができます。

 
オリジナルホームページ → http://www.museo.unimo.it/theatrum


「数学実験室」日本語版について

 歴史的な機械およびその原理、系統等を紹介する事により、背景にある数学(科学)思想、考え方をよみがえらせてくれる。150にものぼる図版によって紹介される作品は多くの工夫、アイデアに満ちている。その中には現代ではとうに失なわれてしまったものや忘れ去られてしまった(かのように思われる)ものもある。しかしながら、実に多くの技術が今日に活かされ受け継がれていることも明らかである。そしてなによりも先人たちの知恵の高みに改めて驚愕させらることであろう。理論では知っている、解答、結論はわかっている、しかしながらそれを本当に実感として自分のものにできているのか。理解をより自然に、体感できるレベルでこれらの機械は示してくれる。このWebPageではその動きまでアニメーションしてくれる事はもちろん、対話型のシミュレーションによって実際に装置を動かしてみることができる。このことはあくまで仮想現実ではあるが、思考実験と考えれば画期的な要素といえるだろう。

   知識は積み重ねである。結果だけでなくそのアイデアの変遷、工夫は現代の我々にとっても次へのステップの大いなる示唆を含んでいる。ある時代において、いわゆる知恵の高まりは現代より大きかったかもしれない。ルネッサンス期など、自由な空気の中で社会が上昇機運にあるときはよい発想、アイデアが生まれ易かったのかもしれない(もちろんそれらを体感できる環境にいた者に限定されるのだが)。それらを物理的、精神的に追体験すること、思索を巡らすことは、数学のみならず科学全体に関し、教育的な大きな価値を持つ。
それはWebページ作者が序言で述べているように「そのこと(体験)により、学習者の興味を喚起し、直感力と想像力を養い、数学的モデルと現実の間の溝を埋め、探究心と創造力を培うことに役立つ。また、この学習に関連して、多かれ少なかれ (教師、生徒に限らずすべての)学習者は、自分が(その装置に関わる)歴史的な次元に存在すること(疑似体験)、および数学と社会や文化の間の関連を顧みる(両者の融合を感得する)といった新しい、あるいは非日常的な状況場面に自ら自然に向き合う」ことにある。歴史的事物にこれほど深く接触できる可能性を持ったsiteは多くはない。もちろん、それ以外にも現代人の思考トレーニングとしても最適である。単純におもしろく、知的好奇心、科学的本能を刺激し、実際に制作し実験しようという気にさせてくれる。そのことだけでも十分に価値がある。

 このような価値、意義のあるWebPage、文献を原語で読み理解し堪能することができればそれに越したことはない。しかしながら、それは誰にでもできることではない。特にこれはイタリア語である。時間と労力をかけなければ近づきがたいものになっている。そこで、研究者、学習者の利便のみならず一般の少しでも関心のある者にこのWebPageに触れ、楽しんで貰う為に翻訳作業をした。多くの価値はもとのWebPageに依存することはいうまでもない。しかしながら、言葉の障害を乗り越えて、価値を共有できるようにこの翻訳をした。是非、特に学習者、研究者はもちろん、実際に教壇に立っている先生方に多くの利用を希望するものである。

 最後に、オリジナルサイトの制作者である Maria G. Bartolini Bussi バルトリーニ ブッシ modena モデナ大学教授に尊敬を込めて感謝の意を表するとともに翻訳許可のご厚意に感謝をしたい。また、この翻訳に際し、筑波大学 礒田正美助教授、同院生 伊藤伸也、青山和裕両君をはじめ、多くの方々の協力、支援に感謝したい。
                                                訳者 田端 毅


日本語版使用に関する留意点      (サイト全体としては「使用ガイド」を参照)

Web site 構成に関すること

@ inizio入口ページ 右の Mostra "Theatrum Machinarum"数学博物館(資料解説)は未翻訳
   (イタリア語)です。
A 図版「資料」ページは未翻訳です。また、もとに戻るときは「入口」を経由するか、あるいは
   「←戻る」キーを2度クリックしてください。

翻訳文に関すること

@ 原文のニュアンスを大切にしたつもりですが、基本的には抄訳です。
A 従って、内容や難易に応じて省略、追加がなされています。
B 図版説明、解説について:原文の水準に則り、そのまま載せました。この中にはもう少し説
   明が欲しいところや背景等の解説が必要と思われるものがあります。脚注や詳しい証明、
   引用文献の記述等の詳説を付け加える予定ではありますが、現時点ではありません。
C 基本用語集Linkについて:基本用語(キーワード)についてはLinkが張ってありますが、現在
   は未翻訳です。これについてもDと同様に原文になくとも、必要と思われるものは追加し、
   整備していきたい所です。
D 訳語について:原文(ex デカルト)の載っているものは原則としてそのまま訳しました。それ以
   外については同じ用語でもその装置、分野領域、文脈によって使い分けた所もあります。
E 尚、特殊用語、人名、書名および記述については主に以下の文献、訳本を参考にした。
         岩波数学辞典 日本数学会、岩波書店(1991)
         曲線グラフ総覧 小林幹雄他、聖文社(1981)
         数学の歴史 彌永昌吉、佐藤徹、寺坂英孝他、共立出版(1979)
         ギリシャ数学史(ヒース)、平田寛、大沼、菊池訳(復刻版)、共立出版(1998)
         初等数学史(カジョリ)小倉金之助補訳、共立出版(1997)
         数学の歴史(ボイヤー)加賀美鐵雄、浦野由有訳、朝倉書店(1984)
         数学の黎明(ファンデル ヴェルデン)村田全、佐藤勝造訳、みすず書房(1984)
         デカルト著作集(デカルト)原亨吉訳、白水社(1974)
         オランダ科学史(ベルケル)塚原東吾訳、朝倉書店(1985)
         哲学者と機械(パオロ ロッシ)伊藤和行訳、学術書房(1989)
         等