総合化,選択化,情報化,国際化の波の中で,数学科の見直しが進行しています.コンピュータを中心に進行するメディア革命は,その見直しを促す最大の原動力になっています.その一方で,昨今の教育改革論議では,難しさを排除する方向での論議もありました.代数・幾何・微積分を皆学すべきとしてきた数学科の基本テーゼは,このような論議においては,存亡の危機にあるとさえ指摘することができます.
このような現状認識に立って,代数・幾何・微積ForAllプロジェクトでは,すべての中・高校生が代数・幾何・微積分を有意味かつ探究的に学ぶことを主題に,次の事柄を進めています.
○先生方へ:テクノロジーの活用によって,代数・幾何・微積分を,中学生・高校生が
探究的に学んでいくための教材と指導法を開発し,提供します。
○学生の方へ:中学生・高校生が探究的に,代数・幾何・微積分を学んでいくための資料,
課題及びコミュニケーションを提供するサイトを開発します.
ForAllプロジェクトでは,探究的な数学的活動像を提言します.特に,図のようなテクノロジーによる多表象的アプローチによる探究は,教科書・入試的な意味での系統の制約,具体的には数学の領域間に潜む壁,数学と他教科,社会との間にある壁,代数表現偏重などの制約を乗り越えることを推進します.
|